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こんにちわ♪

こんにちわ♪

働く動物達

獣医という職業は、因果な商売で。
きつい、汚い、危険の3拍子揃った、よく言われる3Kだ。

1.きつい
まず急患なんかが来たら、平気で夜中でも起こされちゃう。
それは日本に限った事でなく、タンザニアの時も、フィリピンに住んでいた時もそうだった。マラリアにかかって寝込んでいた時に急患に呼び出された時は、こっちが死ぬかと思ったね。

2.汚い
う~ん、平気でうんちを触れる人になってしまう。まぁこれは人間のお医者様もそうだと思うんだけど。
だけど、人間のお医者様とは違うところが、次の3番目。

3.危険
もちろん、獣医も人医も病気を移されるという点では、共通して危険かもしれないけど。
獣医の場合、普通だったら感謝されていい所を、治療した患者さんから嫌われるのが一般的だ。
激しい患者さんなんかの場合は、襲撃してくる事だってある。
それはそれは、もう敵対心をあらわにして。
これ人間の医者だったら大問題ですよね。だって患者に襲撃されるんですよっ。
獣医だから、笑って言える事だと思います。
ちっちゃなハムスターさんなんかも、お医者は嫌い。かじられちゃいます。けっこう痛い。
まぁ、まれ~に、『獣医さん大好き!』ってな奇特な患者がいるのが唯一救いかもしれない。

まぁ、こっちが急患なのに急患で呼び出されようと、うんちを触ろうと、患者に襲撃されようと、もはや獣医を辞めたいとは思わない。なぜならばそれが獣医だからだ。


そんな俺の獣医人生。
俺が今まで診療した事のある動物の中で。
これほど厄介で。
もうお前なんか二度と診てやるもんかっ。
と思った動物がいるんだ。

ラクダだ。

タンザニアのとある地方に行ったときに。
ラクダの診療を依頼されたんだ。

ちょっとね、脇腹の所が化膿して、膿が溜まっていてなかなか治らないって感じだった。
まぁ治療的には、たいした事はなかったんだけど。

こいつ、いきなり俺にゲロ吐きやがったんだ。
しかも、確実に狙いをつけてやがった。強力な生物兵器だ。

まぁラクダが不快な表現をする時は、ゲロを吐くというのは聞いてたからそんなにびびらなかったんだけど。
ゲロに続けて、なんか口から出し入れさせやがった。
それはね、胃袋らしい。

ラクダがゲロを吐くのは、『なんだよっおまえ。(怒!)』という表現。
更に『怒!』が増し、吐くゲロがなくなった時、胃袋(?)を吐き出すそうだ。

たまげた。
更に『ブォオワァヴェェォァア!!』と、なんとも表現しがたい雄叫びをあげやがる。
確実に威嚇の雄叫びだ。
しかも、ラクダのゲロってなぜかめっちゃくっさいんだ。

ウシも反芻動物だからゲロ吐くんだけど、その香りとは程遠い。
一体何食ってやがんだ。



らくだ

この写真は、ちょうど治療が終わって、俺がゲロまみれになって、一息ついているときに撮った写真。

なんか憎らしいでしょ?

写真を整理していて、出てきたんで思い出しました。
今度ラクダの依頼が来たらどうしよう?
先制攻撃で先にゲロ吐いてやろうか?
胃袋はさすがに出せないけど。





アメリカの同時多発テロ事件以降。

アルカイダの親戚のアブサヤフの住むフィリピン、ミンダナオでは。

その警戒態勢は、かなり厳しいものになってきた。


keisatuken

写真は、セブ島からミンダナオに渡る際のフェリーの荷物検査をしていた、警察犬。

写真では、なんかきりっとしてしっかり仕事してますよってアピールしているけれど。


実はこいつ、俺が写真取る前まで。
この付き添いの警官(軍人?)の方と一緒に、ボール投げをして遊んでいたのを知っている。

その姿はまさに。
ただのペットと何の変わりもない。

警察犬だって息抜きが必要なのはわかるけど。

何も、そんな大衆の前で堂々と。
しかも、制服着た警官と一緒にはしゃがなくてもいいじゃないか。

でも、そんなところがフィリピンのいいところ。


テロで、みんながきりきりしているところ。
こんな警察犬が仕事そっちぬけで、遊んでいたら。

何かふにょってしちゃうよね♪







さて最後に。



俺が思う、世界で一番の働き者は。

それは人間でもなく。

かといって働きアリでもない。


たぶん一番の働き者は、ロバさんだ。


もうね、そりゃぁもうけなげな働き者なんですよ。


アフリカなんかじゃ、まだまだインフラ整備が整っていなくて。


しかも自動車なんか高嶺の花だったりすると。


まだまだ労力を動物に頼る場合が多いんだけれども。


そんなときに、最も寡黙にそして文句を言わず、粗食で安い餌に耐えて働く動物。


それはロバさんだ。


写真はそんな働くロバさん。


roba


文句ひとつ言わずにこき使われるんだよ。

えらいもんだぜ。

しかしながら、スワヒリ語で『Punda』と呼ばれるこの動物は。

スワヒリでは、『頑固者』の代表だったりする。

頑固おやじを『まるであいつはロバのようだ』と揶揄するのだ。

けなげな目をして、文句ひとつ言わずに働く働き者を。

頑固者呼ばわりするなんて、なんてこった。


と思っていた俺だけど。


なかなかどうして。


頑固だよ。




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